2017.4.17 この日は僕にとって大切な記念日になりました。『島伝いにカヤックで八重山を旅する』そのスタートを切りました!
白浜発7:40の路線バス1便で古見ロードパークへ。カヤックを組み立てた後、ヨナラ水道の流速が弱まる2時頃から漕ぎ出す予定を立てました。
あまり良い天気ではありません。カヤックなどの荷物は旅館の軽トラでバスまで運んでいただきました。キャリーで2往復と考えていましたがラッキー。体力温存できました。
この時点でもまだ、本当に小浜島へ渡れるんだろうか、流されないだろうか、転覆しないだろうか等など不安ばかりで確たる自信は全くありませんでした。ただ小浜での宿泊先民宿みやらのオーナー忍さんが『板垣さん! 流されたら連絡下さい。すぐ迎えに行きます』と言ってくれた言葉はありがたく、確かに僕の心の負担を軽くして背中を押してくれていました。車窓からしばらくは昨日拓ちゃんと漕いだ海が見えます。これまでの経験を思い浮かべながら古見へと向かって行きました。
ここから漕ぎ出すことは昨日同宿のMさんのアドバイスで決めました。以前利用したカヌーツアーの出発点との事でした。フェザークラフトを組み立てている間に2組のツアーが川を遡って行きました。ヨナラ水道で潮流が渦を巻くのは本流ではなく由布島側の浅瀬であることや、干潮時は沖まで干潟となってフネを出せなくなる、くじけたら島に沿って大原まで西進したら良い事などツアーのガイドさんからも貴重な情報をもらいました。
スーツケースなども無事収まり10時半頃には出港準備完了。暇つぶしにロードパーク見学。マングローブを見渡す展望スポットらしい。数日前に除幕式がニュースとして放映されていたイリオモテヤマネコ母子の像を見る事ができた。母子像はそれなりにほほえましいが『父』はどうした(笑) 後良橋の読み方はシイラバシ、下を流れる川がシイラガワ。勉強になります。
シイラバシから見る海。これから向かう小浜島は半島の陰で全く見えません。右方向水平線にうっすらと黒島が見えます。
暇を持て余し出発する事に。ひとまず半島の先端、嘉佐崎まで行って海況を見る事にしました。デッキ上のビニール包みはキャリー。船腹に入れたスーツケースもそうですがビニール袋3枚重ねで波浪と転覆に備えています。
この予定より早目の出港がこの旅の成否を分けました。干潮まで4時間もあるというのに潮はヒタヒタ状態。座礁&後退を繰り返しながらなんとか嘉佐崎までたどりつきました。
嘉佐崎で一旦上陸。まず干潟になりつつある後良橋へは戻れない事が確定しました(笑) では小浜島へ向かうか、それより長い距離を漕いで人家も無い島沿いに大原に向かうか、残るは2択。やっと腹が決まりました。
ヨナラ水道に漕ぎ進む頃には1ノット以下になっているはずだし、流速が1番速い狭隘部へ吸い込まれないようなコースをとる事にして出発。 漕ぎ出してすぐに小浜島が見えてきました。この島の特徴は大岳(ウブダキ)、西大岳の双子山です。
左が西表島、右が小浜島、その間がヨナラ水道です。このあたりから波風が強まってきました。
大岳目指して! スーツケースや荷物を船腹に詰め込んで喫水が下がったせいか波にほんろうされ前後左右に振られるもののどしっと安定していて不安感はありません。
油断していたら右からの波がコックピットにドバッと流れ込んできました。このフネは船体布にサスペンダーが付いていてオーバーオールみたいに人体と一体になる様な特殊な設計です。北極海のイヌイットのカヤックの伝統でしょうか。その通りに着付ければ(笑)どこからも海水は入ってきません。が、しかしです。転覆した時の脱出に時間がかかるだろうと思います。ですからある程度の浸水は覚悟の上でいいかげんにしています。1回ドバッと来た後からは横波一つ一つにパドルを入れてかわし続けました。前後からの波はデッキが極端な山形になっているのでコックピットにたどり着く前に左右に分かれて流れ落ちていきます。
スリリングな海域を漕ぎきって小浜島に近づいてきました。フネを着ける予定地の比嘉荘の浜までもうちょっと。オーナーが椅子にほうきを立てて目印にしてくれているはずです。
到着!!!!!!! 近年感じた事が無い喜びが!!!!!!!
目印(笑) 有難い事です。
浜に至近の比嘉荘に泊まる想定でスケジュールを立てていたのですが、予約は白浜に入ってから天候や気後れ(汗)を読み、ほぼ固まってからにしようと決めていました。その間に満室に。オーナーさんとはずいぶん前から電話やSNSでお話をしていましたのでいろいろ心遣いしてくださいました。ありがとうございました。この後、民宿みやらの忍さんが迎えに来てくれました。