島渡る旅に出る前にのんびり過ごした黒島でのスナップをご覧下さい
黒島ではいつもの様に民宿「のどか」に2泊 この宿はゆっくり流れる時間と料理の美味しさが魅力です
2018.4.20 島渡る旅 黒島・宮里海岸 ⇒ 西表島・仲間港 いよいよ出発します
まずこの旅のために用意したデッキマップです
定期船ダイヤグラムでは仲間港の12時半頃が高速船のラッシュタイムになっているのが分りますが見事にここへ突っ込む事になりました
潮汐を見ると出発は満潮時で浜の手前から離岸出来、リーフも難なく越えられる事が分ります ところが新城島ではリーフを越えるのが難関でした 仲間港ではスロープへの着岸を予定していましたので干潮は問題ありません
GPSによる実際の航路図を下に
航路の所々にある屈折には1つづつ理由があります 黒島⇒新城(あらぐすく)島下地の行程のほぼ半分ちょっとの位置にあるやや上向きの「へ」の字のあたりでは、上地島のリーフに隙間無く屏風を立てたかのごとく打ち上がる波の高さがすざまじく、島を反時計回りに進みリーフを迂回しようかと考えて船首をやや北向きにした時のものです デッキマップの航空写真からリーフの位置を確認してください 上地島では東端に向かうほど高く波が打ち上がっていてリーフの切れ目が見つけられませんでした しかし下地島近くに打ち上がる波の高さが低い所がありそこに賭けてみようと再び船首を西南西に向けました その後島伝いに徐々に近づきながら観察していると一ヵ所ほとんど波しぶきが上がっていないところが見つかり 船首を右に回し大波に乗ってラグーンに入る事に成功しました そこも航跡から見る事ができます GPSはとても貴重な記録を残してくれています
9:45 Yさんに最後の一押しをしていただいて宮里海岸を離岸 最大満潮時で難なく黒島のリーフを越えました このダイビング船の手前がリーフです
今日の経由地 新城島(通称・パナリ)が近くに見えています 左の下地島と右の上地島の総称が新城島 まずこの2つの島の間にある下地島の桟橋を目指します
黒島から離れると東からの強いうねりがあり、それを後から受けるように新城島へ向かいました その波も常に一定の方角からではなく微妙に左右方向を変えてきます うねりの中ではパドリングを止めると船はすぐに波間に落ちて向きが変わり危険な横波を受ける様になります うねりに負けないように漕ぎ続けなければなりません また先にも書いたように、後からのその波がはるか先のリーフで砕けて屏風のように立ち上がり それがところによっては2メートル以上にもの高さになるのを見てコース取りを考えながらのパドリングでした 危機管理優先でやはりここでもシャッターを切る事が出来ませんでした
少し離れた位置取りでリーフに沿って漕ぎながらラグーンへ入れそうな切れ目を探しました 下地島まで漕がないとダメかなと半ば諦めていたところ一ヵ所こちらからの波がやや盛り上がりながらも崩れる事無くラグーンへ流れ込んでいるところを見つけました ここしかない、ここに賭けようと決め舳先をそこに向けて加速しました 想定される危険としては ①波に乗れなくてリーフにひっかかる ②高すぎる波に乗ってバランスを崩す ③ラグーンに滑り込んだとしてすぐに岸や岩礁がある ④幅の広い切れ目だとしたら水面下には強い離岸流がある などなどです 後から来る波を選んだり間合いを計る事は出来ません もう一息で越える!と思った瞬間大きな波に持ち上げられてしまいました 幸いその先は穏やかなラグーン 大波の上で船が真っ直ぐに島を向くようにだけを考えて強くパドリング 無事上地島のラグーンに入る事が出来ました それが上のカットです
気持ちに余裕が出来たところでリーフに打ち上がる波を撮り忘れた事に気付き振り返ってシャッターを切りましたが…… 水平線の白いのがリーフに当たって砕けている波です まだまだ最大満潮の時間帯にリーフを越えられて幸いでした 干潮時だったらどうだったでしょうか ちょっとゾッとします
10:48 もうすぐ下地島に到着 観光船が泊まっていてパラソルの下にはそれらしい人影が見られます
新城島は2つの島が離れてある事からパナリとも呼ばれています パナリという名称は八重山のあちこちにあって、外離島(ソトパナリ)や鳩離島(ハトパナリ)などという島名があります 今回の旅では準備段階でパナリの生の情報が少なく困っていましたが月刊「やいま」のバックナンバーに大原から新城島へ通っている郵便船の特集があるのを知り版元から入手しました とても参考になりました
10:54 下地島上陸 パラソルのひとにお願いして上陸記念写真を撮っていただきました
左が上地島 右が下地島
今回の旅から導入した自撮り棒 ロングタイプですが元は SLIK STAND POD 5 れっきとした三脚です この旅でもゆんたくでの集合写真などで活躍しています ドローン的なカットが撮りたくて買いましたがカヤックでは波の静かな所でしか使えません カメラはOLYMPUS TG-5 に専用の魚眼コンバーターレンズ FCON-T01 を付けています
上地港を目指して島の西岸を時計回りに漕ぐと八重山では見かけないほど大きな防波堤が見えてきました 大潮の満潮でこれだけ立派ですから干潮になった時にはそびえ立つような大きさに見えることでしょう 上地港はこの裏側にありました
左の桟橋には観光船が泊まっていて奥の赤瓦の休憩所あたりにグループが見えたので静かさを求めて右端に見える砂浜を目指す事にしました
11:45上地島上陸 日陰に入っておやつ休憩をとりました この鈴カステラは多摩信用金庫が2月の年金の日にプレゼントしてくれたモノ
12:10 30分位休んで出発 先ほど見上げた防波堤の西側から石西礁湖のど真ん中を北西に大原・仲間港を目指します ここでもサンゴが見えるくらいの浅いところはグリーン 深くなってくるとブルー 黒島から新城島まで続いた後ろからのうねりはリーフと島に遮られてベタ凪に近い海況になりました
仲間港(大原港)到着は高速船のラッシュタイムと重なってしまいました 到着が2便 出発が3便 入港せず港口を通過する波照間発石垣行きが1便 これらはダイヤで確認してましたが、さあ行こうかというところで、波照間からもう1便来ました これは定期船ではなく4島めぐりのツアー船だと思います 高速船は船影よりも早くまずエンジン音が聞こえてきます その時点で方角は分かりませんがその後船尾から吹き上がる波しぶきが見えてきます 時速60kmで走る高速船の引き波の強さは半端なく数百メートル離れてやり過ごさないと危険です 時間つぶしの遊弋(ゆうよく)が長くなりました 13時前から漕行を再開 まもなく23号灯標が見えて来ます そして13時大原港発の貨客船とすれ違い 予定ではこれの出港前に到着していたかったのですが…
13半頃に仲間港に入港 海図では仲間港ですが、高速船会社や会話では集落の名前を冠した「大原港」を使っています すぐ横は仲間川の河口で、昔はそのあたりに桟橋があったのかも知れません 13:34奥のスロープに到着して第4弾「カヤックで島わたる旅」が無事終了しました この後フェザーを解体 15:50の定期バスで西表島西部の白浜にある金城旅館に向かいました